こんな依頼がありました…Part❽-2

~全てを失う男~Vol.2

とりわけ、見た目には特に変わった事もなく、毎日ではないけれど、外回りの仕事は真面目にやっているようでした。
ところがひとつだけ…
調査日程が終盤になり、あと3日くらいで終わりになるという頃、
彼が決まって行く場所がありました。
品川区の某所。大型のオフィスビルです。
何が怪しかったかと言うと、この場所は彼が会社に申告しいた予定先には入っていない…
もちろん、申告している予定先には行って、最後に必ず来るのです。
そして…滞在時間が、長い…。
最初は一緒にエレベーターに乗る事ができなかったので、次回、必ず一緒に乗ってやろうと思いました。
翌日、彼はまたそのオフィスビルに来ました。
タイミングが悪いと乗り遅れるので、意を決して彼に接近して、一緒にエレベーターに乗り込みました。
彼にひっつくように乗り込み、うまく彼の背後側に移動して、印象に残らないようにしたのです。
ある高層階で彼がエレベーターをおりたのですが、エレベーターホールに人がいなかったし、彼だけしかおりなかったので、僕はギリまで我慢…。
彼の姿がエレベーターホールから廊下方向に姿を消すか消さないか…
そして、エレベーターのドアが閉まりかけた時、僕はドアに体を挟みそうになりながらエレベーターの外にでました。
間に合うかな…
廊下を覗くと、彼の後ろ姿が見えました。
まっすぐ、廊下を歩いて行く。
右サイドに、ある会社の入り口がある。
(入るな…。)
そう思って、周りに人が居ない事を確認して、僕はカメラを取り出し、自分の腰のあたりに構えて撮影を…
と、思った瞬間。
僕は、びっくりしました。
何故なら、彼は会社の受付からではなく、社員専用口から室内に入って行ったのだから…
(つづく;2018/10/20頃掲載予定)

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