~全てを失う男~Vol.1
今回のお話は、離婚して、さらに会社を裏切らなければならなくなって仕事も失った人のお話です。
中央区某所の分譲マンションに住んでいた一見幸せそうな50代後半の男性。
一見幸せそうな…中央区の某所の割と高級なマンションです。それだけで、普通は温かい家庭を思い浮かべます。しかも、勤務先もある程度の大きな会社です。
ただ彼がそんなイメージとちょっと違ったのは、彼はそのマンションに独りで住んでいた事です。
彼は離婚して、今の会社には中途で採用されてまだ1年くらいだとか。
なぜ離婚したのか❓なせ前の会社を辞めたのか❓
そして、なぜ彼の会社が彼の調査をしなくてはならなくなったのか❓
経緯は、彼が二重就労あるいは、自分の会社の仕事を同業者に横流しして不当な利益を得ている可能性があるとの事で、その事実確認のために依頼に至るという事でした。
僕らはさっそく彼の勤務先付近から張込みを開始しました。
彼は役付きの営業職で、ほぼ毎日外に出ます。
ただ、朝から晩まで外回りをするというものではなく、その日1日の外出予定を会社に提出します。
なので、僕らもその予定を予め依頼会社から情報提供してもらっているので、ある程度の会社を出る時間はわかってます。
それでも、確かこの頃は寒い季節で、雪が降ったのも憶えています。
前にも言いましたが、極力、不必要な経費をかけないのが僕の主義なので、調査対象者が完全徒歩である以上、監視にも車は使いません。
なので、立ちっぱなしの張込みになります。何とか昼間太陽が出れば、その日向に合わせて監視位置を変えるという…まぁ、同じ場所にずっといるよりは目立たなくて良いかもです(笑)
13時過ぎ、彼は予定通り会社を出てきました。
その後を、僕らは撮影をしながら尾行します。
彼は、予定通りの場所(取引先)に何件か行き、その後、夕方には会社に戻りました。
特に、何か変わった様子はありません。
こんな感じで連日調査を行ったわけですが、徐々におかしな行動が目につくようになっていったのです。
(つづく;2018/10/6頃 掲載予定)