こんな依頼がありました…特別編〜危険な依頼〜vol.5

こんな依頼がありました…特別編〜危険な依頼〜vol.5

~危険な依頼vol.5~

次のポイントで、確信に変わる…

江戸通りから昭和通りに入る際、通勤時間帯だと横断歩道を渡る人でなかなか左折できず、一度で信号をクリアできないのです。
その信号の手前に一方通行があって、そこから昭和通りにワープできます。
一方通行に入らないと見せかけて、急に入った場合、果たして練馬ナンバーのウィンダムはついてくるのか…❓

僕は一気に車線を変えて、その一方通行に入りました。
すると、ウィンダムも慌てて車線変更してついてきました。

そう…慌てて、です。

見るからに慌てていた…

つまり、あの車の運転手は、このワープ通りを知らないのです。

(間違いない❗️)確信に変わりました。

僕は、そのまま昭和通りに出て、銀座方面に走行しました。当然、ウィンダムもついてきます。

(…いったい、何者だろう…❓)

この時は、本当に誰が何の目的で僕を尾行しているのかわかりませんでした。そのくらい、企業系の調査だけでなく、個人さんの依頼も含めて数え切れない案件に自ら出てましたから…

このまま昭和通りを進行し、新京橋地下公共駐車場の入口を通り過ぎて地下を出てから左に出て、いつもの公共駐車場に入るために左折するので、いつもであれば一番左車線を走行します。

しかし、この日はあえて右側車線を暫く走行しました。
ウィンダムも右側車線を走行して僕の後ろについてきます。

(今だ‼️)

僕はそのまま直進すると見せかけて、一気に加速して左側車線に進路変更し、ギリギリで地下道から左側に出ました。
ウィンダムは、これまた慌てて加速し、進路変更して僕と同じように地下道から左側に出てきました。

ただ、地下道を出て昭和通りの二車線で他の車両との兼ね合いで、僕の真後ろににはつける事ができず、一本、右側の車線の後方に何とか出ました。

そして、加速して僕の車に追いつこうとして、車2台分くらいまで詰めて来ました。
その瞬間、公共駐車場に入る路地のギリギリで僕はブレーキを踏みました。

すると、ウィンダムはブレーキを踏みましたが、スーッと僕の車の右側を通り過ぎてしまい…昭和通りはUターンできませんから、そのまま進むしかありません。
僕は、公共駐車場に入る路地に入りながら、ウィンダムのナンバーを見て記憶しました。

(よし。巻いてやった‼️)

そして、立体公共駐車場の二階に車を停めて、事務所に歩いて向かいました。
事務所について、まずナンバー照会をしなければと思い、友人が習志野陸運局の近くに住んでいるので、その友人にナンバー照会を頼みました。(※当時は誰でも照会可能)

1時間ほどで結果の連絡があり、愕然としました。
練馬ナンバーではありましたが、所有者の登録住所地は…

…愛知県某市…

そう…あの案件…僕は終わったと思っていましたが、奴らは終われなかったようです。

確かに、僕の事を尾行するなんて事をする人間は、奴ら以外にないかも知れない。だって、他の人は僕を尾行したって何の得にもならないから。

そうはいっても、あそこで巻いたのだから、事務所はバレていないはず。

(…とにかく、毎朝、気をつけよう。)

そんな事を思って、事務仕事をせっせと始めたのです。

しばらくして会社の電話が鳴り、電話に出ると相談者からでした。

電話で話を聞くと、相談者の父親が浮気をしているので、浮気調査を依頼したい、という内容。

とりあえず、一度は面談をしなければならないので事務所に来所を促しましたが、探偵事務所に行くのは不安なので、ファミレスとかで会いたいと言う。

(いまどき、珍しい客だな…)と思いましたが、確かにそういう人もいるだろうと思いました。

けど、彼の仕事が終わってから、というので夜の11時にと言う。

これも、致し方がない…

最後に何を見て電話をしてきたか?という、言わば“広告媒体”を確認したのです。

すると…

「市川の方でやられてますよね?その時にインターネットで見た事があって。」…と言う。

そうでしたか、ありがとうございます…と僕は言って、今夜11時に◯◯で、と電話を切りました。

その間、当たり前の事ですが、会話の内容を全てメモしていたので、そのメモを暫く見て確認していました。

「あれ?」

その時、ある事に気がついたのです。

確かに市川でやっていた時期はあったけれど、彼はインターネットで見たと言ったけれど、その頃の僕はフリーランスで下積みしてた頃ですので、インターネットで見れるわけがないのです。

おかしいと思って、さらに彼との会話を思い出し、メモを見ていると…何か嫌な予感がしてきました。

わざわざファミレスで会うという事…会う時間が夜の11時であるという事…

僕を呼び出すには都合の良い時間だ…

何となく嫌な予感がして、その日は早めに事務所を出る事にしたのです。

車を停めている公共駐車場に向かうための一方通行の道を歩こうとした時、思わず息が止まりました。

朝、僕の車を尾行していたウィンダムが停まっているのです。

(不味い、事務所もバレている。)

そう思って、その一方通行の路地に入らず、そのまま真っ直ぐ昭和通りに出ました。

昭和通りは、その一方通行と並行しているので、昭和通りの歩道を公共駐車場方向に歩きました。

このあたりは時間貸し駐車場が多いから、あの公共駐車場に停まっているかは特定されていないはず。

急いで向かいました。

あと、もう少し。次の路地を右に曲がれば公共駐車場の入口だ、と思った瞬間、

その路地から、物凄い勢いでウィンダムが曲がって来て、昭和通りに出て来たのです。

(vol.6(5/29頃掲載予定) につづく)

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